2015年5月19日火曜日

手塚治虫展@1990年

取材担当Kです。

私のデスクの上には、ときおり不思議なものが置かれていることがあります。

今回はその中から、1990年に東京国立近代美術館他で行われた「手塚治虫展」のカタログ(図録)についてレビューしてみたいと思います。






1990年は手塚治虫死去の翌年にあたり、この展示会もマンガ界の巨星の死を受けてのものと想像します。

主催者はカタログ冒頭で、手塚治虫を以下のように評しています:


手塚治虫は、(略)戦後のほとんどすべての期間にわたって、広大かつ深遠なイメージの世界を展開しました。(略)マンガ家として時代のさまざまな要求に敏感に反応しながらも、その制作の根底には常に同じテーマが秘められていたようです。(略)つまり人間とは何か、なぜ愛し合い、憎しみあい、かくもいとしくも愚かなのか、という普遍的な問いかけであったと思われます。

展覧会開催には苦労もあったようです。

「美術館活動の中の手塚治虫展」と題された岩崎吉一(東京国立近代美術館企画資料課長/当時)の文章には以下のようにあります:

もっとも困難だと予想されたのは、ストーリー性の問題であった。(略)厖大な量の平面的表現の連続からなる手塚マンガのストーリーを、限られた展示空間の中で伝えるのは(略)技術的に不可能である。(略)欠落するであろうストーリー性をどのようにして補うかが最大の問題として残った。

結局、原画1,500ページ分に加えて映像等を加えての構成となったようです。






分量の問題(カタログは350ページにおよんでいます)、および技術的な問題(1,500ページ分の原画を担当Kの稚拙な文章で紹介することの困難さ)から、今回の記事では展覧会(そしてカタログ)を構成する5つのカテゴリーを紹介するにとどめたいと思います。


  I. 冒険とロマン

  II. 理想を求めて − アポロン的世界

  III. 現実のなかで  ディオニュソス的世界

  IV. 生命の詩  輪廻転生の世界

  V. 歴史のなかへ



いかがでしたでしょうか。

今回は記事化するのが少し難しい題材でした。
担当Kが手塚治虫に明るければ、もう少し実ある記事が書けたのかもしれません。

担当Kのデスクにはまだまだ高難度グッズのストックが存在します。
次回以降もお楽しみに!





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